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Warfighterシリーズとは?

オリジナルは現代戦テーマのソリティアカードゲーム

WW:Modern カリフォルニア州アップランドに本社を構える「Dan Verssen Games (DVG)」社が2014年に発売したカードゲームです。記念すべき1作目は現代戦をテーマとした"Warfighter: The Tactical Special Forces Card Game"という長~いタイトル。このままでは不便なので、当HPではWF:Modernと略しています

左はWF:Modernのボックスアートで、暗視ゴーグルが現代戦って感じです。かっちょいい緑基調のデザインは、ジャングルが舞台のミッションではイメージ通りですが中東・砂漠地域の任務の場合だとかなりかけ離れたイメージになっちゃいます・・・

本サイトで主に取り上げるのは第2次世界大戦を舞台とする2作目の、"Warfighter: The WWII Tactical Combat Card Game"です。こちらも劣らぬロングタイトルなので、WF:WW2って略すことにします

現在5作目まであり、近代の夜間戦闘が舞台の"Warfighter: The Modern Night Combat Card Game"、第2次世界大戦の太平洋戦域を扱った"Warfighter: The WWII Pacific Combat Card Game"、最後が近代の民間軍事会社がテーマの"Warfighter: The Private Military Contractor Card Game"。いずれも負けず劣らずのロングタイトルなので、これらもそれぞれWF:Shadow、WF:Pacific、WF:PMCと略します


 

WF:WW2について

WW:WW2WF:Modernの成功に気を良くした、のかどうかわかりませんが、同じシステムで時代を第2次世界大戦、戦場を戦線に移植して2016年に登場したのがWF:WW2です 左は基本セットの正面のボックスアート(初版)で、色合いからは一瞬「北アフリカ戦か?」と思ってしまいますが、基本セットでプレーする限りプレーヤーは米軍しか担当できず、欧州戦線で独軍のみと対戦します 「俺はドイツ軍大好きだから、独軍プレーじゃなきゃだめなんだー!」って方はエキスパンションを購入するしかないのですが、まずは基本ゲームを複数回プレーしてシステムに慣れることをお勧めします

ちなみに、エキスパンション#1~4を導入すれば独軍プレーが可能とのことですが、未確認です

WF:WW2はBoard Game Geekのウォーゲームゲームランキング156位(2020年10月末現在)。イマイチな気がしますが、WF:Modernの方は96位とそこそこです 同系統のゲームではAvalon Hillの"Up Front"が21位と突き抜けているものの、GMTの"Field of Fire"が75位、あのVictory Games "Ambush!"でも86位といった順位であることを考えると、Warfighterシステムそのものが低評価であるわけではなさそうです。まぁ、状況設定が似たゲームが多い激戦区なので、苦戦は仕方のないところなのかもしれません


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Warfighterシリーズの特徴

カードドリブン

■カードによる兵士単位のソリティアゲーム

兵士単位のソリティアゲームと言えば、古くは"Ambush!"。私も別サイトで紹介しています。ただ、Ambush!の場合はビュースリーブシステムを採用しているとは言え、1回クリアしてしまうと敵の出現パターンがある程度想定できてしまうため、2回目以降はプレーの緊迫感は低下しがちです。しかし、カードドリブンの本作は不確定要素が多く、先読みしにくいスリリングな展開を毎回楽しむことができます

■あらゆる要素をカードで表現

兵士単位のカードドリブンゲームなら"Up Front"、というのは誰もが認めるところでしょうけど、あくまでも対戦プレーを想定したゲーム(一応、ヴァリアントを使用すればソリティアもできますが・・・)であるため、やはり元々1人用にデザインされた本作の方がストレスなくプレーできます

■遭遇する敵軍はもちろんカード

任務中は様々な敵軍と遭遇しますが、もちろんそれらは全てカードです。複数人を含むカードが多く、最高で6人(!)もいる敵兵全員を死亡させなければカードを除去できないので結構ハードです。自軍がカード1枚=兵士1人であることを考えると若干不公平感ありますが、ソリティアなのでこの程度のハンディは仕方ないでしょう。敵軍はエリートと第1線部隊の2種類から選ぶことができ、対戦相手によって難易度が異なります。基本セットのみでも車輛は登場し、最悪だと戦車と対決しなければならない場合があります

■進軍・通過する地点もカードによって表示

任務目標までにはいくつかの地点を通過しなければなりませんが、それぞれの地点に存在する地形や構造物もカードによって表されます。地点カードは基本セットでも18種類あり、進入困難な地形や敵の増援が湧きまくる場所、制圧すると自軍にボーナスが与えられる建造物等、それぞれに異なった特徴を持っています。地点カードはゲーム上はアクションカードとみなされ、プレーヤーは手持ちの地点カードを自由に配置できますが、漫然と配置していると後々面倒なことになる可能性があります。侵攻経路の選定は作戦の基本であり、本ゲームでも先を見据えた配置計画を怠ってはいけません

■任務を左右するアクションカード

遭遇した敵軍を単純に攻撃しているだけでは任務の成功は覚束ないでしょう。そこで状況を有利に変化させる手段として用意されているのが「アクションカード」です。カードの効果は多彩で、移動力を増やすだけのものから、サイコロに+4の修整を可能にするようなちょっと「ぶっ壊れた」ものまであります。ただ、アクションカードを所持できる兵士は一部のみで、その枚数にも制限があります(後述)

■事態を悪化させるイベントカード

アクションカードが自軍を有利に導くツールであるなら、不利な状況をもたらす可能性があるのが「イベントカード」です。イベントが発生する確率は基本セットでは15%程度ですが、突如攻撃を受けたり、全員が抑圧状態となったりと結構凶悪です。一応、自軍に有利になるカードもあるにはありますが・・・

 

3タイプの個性的な自軍兵士

■任務に必須のPlayer Soldier(プレーヤー兵士:PS)

PSの中には多彩な能力を有している者もいますが、基本的に兵装を所持していないため、任務に応じて割り振られる編成ポイント(RP)を使用して兵器や装備を与えなければなりません。PS本人のRPもそれなりなのでトータルにはかなり高価です。しかし、本人の体力と同数までという制限はあるものの、アクションカードを所持できるのがPSだけである以上自軍に最低でも1人は必要であり、そういった意味でチームの核であることに疑いの余地はありません。また、健康状態がどうであれ2アクション実施できるのはPSだけです

■コストパフォーマンスの高いNon-Player Soldier(非プレーヤー兵士:NPS)

NPSは最初から兵装が決まっており変更や追加はできません。しかし、兵装の割にはRPが低い者が多く、安価に強力な戦力を得られるという利点があります。兵装が固定であることとアクションカードを所持できないことを除けば、実施できる行動はPSと大差ないため使い勝手がよく、チームの主要打撃力になり得ます。海外のAARを読むと、メインの攻撃はNPSに任せてPSはアクションカードでサポート、という戦術を基本スタイルにしているプレーヤーも珍しくありません。PSと比べると打たれ弱く、負傷でアクションが減るのは残念な点ですが、無傷なら3アクション可能な者もいます

■頭数を揃えるのに好都合なモブキャラ的存在のSquad Soldier(分隊兵:SQ)

NPSよりさらに安価な攻撃力の供給源です。代償として固有の兵装を持たない者がほとんどで、通常は自身の攻撃チャートで指定された戦闘方法しか選択できません(忘れがちですが、白兵戦も実施できません)。NPSよりさらに脆弱で、1回の負傷で退場になる者もざらですが、弾薬切れの心配がないというメリットを持ち、加えて敵軍の狙いを分散させる役割も担ってくれます。また、低コストであるため、強力な敵軍を道連れにできるスキルを持たせるのに最適と言えます。敵にとどめを刺す役目が回ってくることも多々あり、経験値が意外と貯まっていたりします

 

豊富なエキスパンションによる多彩な戦場

■WF:WW2とWF:Pacific合計でエキスパンションは驚愕の56!

基本セットだけでは全く物足りないと感じるプレーヤーが 続出するのは当然の流れであり。そのニーズに応えるべく、DVG社は次々にエキスパンションを発売しています。2020年8月時点の総数56、WF:WW2用は38です。内容は多岐にわたり、WW2定番の英仏露は言うに及ばずポーランドやフィンランド、カナダ軍も2セット存在しますし、フランスのレジスタンス組織マキのエキスパンションすらあります
しかも、現在は戦闘ジャンルや戦場にも手を広げており、ジャンルとしては空挺作戦や上陸作戦、要塞戦、戦場はメジャーどころではバストーニュ、ディエップやナルビクなどがあります。驚くのは「誰が知ってんの?」というようなマイナーな戦場が入っていること。"Battle of Mokra"、"Raata Road"、"Castle Itter"がありますが、いくつ知ってます?
あと、変わったところではエニグマ暗号機を扱うものや、ゾンビがテーマのエキスパンションがあります

■エキスパンションによって広がる任務の種類

基本セットでは任務の種類は2つ。普通に進軍して目標を攻略する通常任務と、目標カードから任務カードへという、全く逆向きに進軍する撤退任務だけですが、エキスパンション導入によって多様化し、全部で8種類に増加します


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WF:WW2基本セットの諸元

テーマ 第2次世界大戦
戦場 欧州戦線
スケール 戦術級、兵士の個人戦闘
部隊規模 自軍:兵士1人、敵軍:兵士1~6人または車輌2~4輌
プレー人数 1名(一応、6名まで可能らしいですが、実質ソリティア一択でしょう)
プレー手順 完全交互ターン制、不均等ターン(自軍と敵軍のターン構成が異なる)
プレー様式 アクション消費(一部はカードや経験値も消費)。コスト不要の行動もあり
プレー時間 30~90分
評価・難易度 評価:7.9/10点、難易度:3.10/5点(BoardGameGeek:2020年8月時点)
ゲーム備品 カード:280枚、マーカー:320個、サイコロ:4個、マップ:1枚
ルールブック:1部、キーワードブック:1部


 

Warfighterシリーズの歴史

2014年 記念すべき第1作、WF:Modern発売
2016年 当サイトのメイン、WF:WW2発売!
2019年 第3~5作目のWF:Shadow、WF:Pacific、WF:PMCが相次いで発売
2021年 第6作目のWF:Fantasy発売予定


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